ある盗賊と死の遺跡
やごのぬけがら
その光景は、どこかで見た覚えがあった。 目の前の遺跡は元は神殿か何かだったのか、石造りの壁や床はあちこち風化して崩れかけている。お約束のように地下へと伸びる階段は初めて見るようでもあり、何度か降りた記憶もあるような……無いような。 ひとつ確実なのは、オレが王家の宝物殿に忍び込んでしくじったってこと。そして罪を清算する条件として、ここから秘宝を持ち帰らなければならないことだ。 オレを連行してきた衛兵が、急かすように槍の穂先でケツを突いてくる。地味に痛い。「ああ、もう! わかったからケツを刺すな!」 オレは喚きながら石段に足をかけ、【慎重に降りる】 この遺跡、発見されてから今まで、中に入って戻ってきたヤツはいないらしい。そんなヤバい遺跡の最奥を目指すこと自体、もう「死ね」と言われてるも同然なんだが。「ヘッ……生き延びてやるよ……!」 それにしても未知の地下遺跡なんて、どんなトラップが潜んでいるか分かったもんじゃない。一歩ずつ、つま先で段を探りながら慎重に——「おい! とっとと降りろ!!」 唐突に上から降ってきた怒声に、思わず二、三歩たたらを踏む。何も無くて良かったが、トラップを踏んでいたかと思うと血の気が引いた。「てめえ、人が危険を冒して降りてやってる時に……!」 落ち着いたら怒りが込み上げてきた。 オレはくるりと踵を返し、入口からこちらを覗き込む兵士に向かって階段を駆け上がった。一発殴ってやらないと気が済まない。 違和感を覚えたのは、最初の一歩を踏み出した瞬間だった。ぐらりと視界が縦にぶれ、オレは顎から派手に石段へと叩きつけられた。「……へ?」 何がどうなってやがる。まるで見えない何かに押し潰されているようだ。「ああ、その遺跡な。"戻ると死ぬ"んだと」「なん……だと……」 兵士はオレに一瞥をくれると、興味を失ったようにその場を立ち去った。 オレは遺跡の呪いに潰される自分を、為す術もなく受け入れるしかなかった。 【BAD END1:振り返るべからず】
最初の分かれ道
オレは喚きながら石段に足をかけ、
- 【慎重に降りる】
- 【無造作に降りる】