さうび

かなた

「今日も綺麗だね。」昨日も、一昨日も。そうやって褒めそやしたって私にはわかっているのよ。貴方きっと、鉢植えの百合にだってそう言ってるわ。真っ白なあの子はいつだって凛としててたった1人でも立派に咲いているものね。貴方が柔らかな微笑みと共に手すがら与えてくれる水だって、私だけの為にじゃないわ。「どう?気持ちいい?…うん。素敵な色が際立ってるね。」なに当たり前のことを言っているの?私の赤は誰にも真似できない私だけの赤だもの。雫に煌いて一等美しく見えるのは当然のことじゃない。だから。私の美しさをもっともっと目に焼き付けるべきだわ。だって。私、ずっと綺麗じゃないもの。明日、明後日、明々後日。時がすぎて、私、散らしてしまうわ。一枚一枚この赤を落として。そしたら私、醜くなるの。綺麗だと褒めてくれた全部、私失ってしまうわ。ねぇ、貴方。それでも貴方、「私を覚えていてくれる?」「もちろん。」まさか。「私が見えるの?」「いいや。姿は…ごめん。でも、声が聞こえる。」嗚呼、いつか一度と願ったことが。「でも、よかったわ。見えていなくて。私の姿、醜いもの。」私の向こう側を見つめる貴方の瞳を覗き込む。「まさか。どんな姿だって君は綺麗だよ!」「…いいえ。私は醜いわ。だって私は花だもの。咲いてる昨日が美しいわ。」だから、どうか。「綺麗な私を覚えていてね。」あの真っ赤なドレスは貴方のために用意していたんだもの。

最初の分かれ道

それでも貴方、

  • 「私を覚えていてくれる?」
  • 「私を愛してくれる?」
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