雪の山荘、最後の客 サンプル
さとし@システム管理
きみは、少しばかり名の知れた探偵だ。雪に閉ざされた山荘に、資産家の鷹取氏から招かれていた。だが夜半、その鷹取氏が、書斎で息絶えているのが見つかる。扉は内側から施錠され、鍵は室内の卓上に置かれていた。窓の外は深い雪。荒らされた足跡は、どこにもない。完全な、密室だった。山荘に残されたのは、三人の客。姪の綾、秘書の黒木、住み込みの料理人・田宮。きみは、遺体のかたわらに、静かに膝をついた。きみは、遺体の上着のポケットを、そっと検めた。折りたたまれた紙片が出てくる。走り書きで、『糸に、気をつけろ』とだけ、記されていた。きみは、施錠された窓の掛け金を、丹念に調べた。掛け金の根元に、細い糸を巻きつけたような、擦り傷がある。外から糸を引けば、鍵は掛けられる――密室は、作れるのだ。きみは、姪の綾に、裁縫の心得を尋ねた。綾は青ざめ、『わたし、糸なんて触りません』と言う。だがその指先には、糸を扱う者に特有の、細かなたこがあった。きみは、綾こそ犯人だと指摘した。綾は泣き崩れたが、密室を作る動機が、彼女にはない。雪が解けるころ、真犯人は山を降り、事件は迷宮入りした。
最初の分かれ道
きみは、遺体のかたわらに、静かに膝をついた。
- きみは、遺体の上着のポケットを、そっと検めた。
- きみは遺体には触れず、まず部屋全体を、丹念に観察した。