WHO
スミノエ
あっ、こんにちは。そこにいますよね?助けてくれませんか?気づいたらここにいたんです。僕……いや私?の、一人称がなんだったか、知りませんか?「僕です。」僕ですか。そうですか。ありがとうございます。では僕の、見た目についても知りませんか?「白い髪の少年ですよね。」ああ、うん。そうでした。なんで忘れてたんだろう。そうですね。あなたと会うのは、これが初めてではない気がします。どこで、会ったんでしたっけ。「図書館です。」そうでしたね。僕は夏休みに、解放されていた中学校の図書館に行って、そこの司書さんがあなたでしたね。なつかしいなあ。あなたにはとてもお世話になりましたよね。あの頃僕には居場所がなくて。あの夏、静かな図書館で、あなたとの会話だけが楽しみだったんですよ。そういえば随分とお久しぶりですね。最後に会ったのはいつでしたっけ。ああ、昨年の春でした。ああ、昨年の春にあなたは、いなくなってしまったんでしたね。そりゃあ久しぶりですよね。僕、あなたのお葬式に行きましたよ。まさかまた会えるなんて思っていませんでした。嬉しいなあ。そっちに行ってもいいですか?「迎え入れる。」ああ、ありがとうございます。あなたがいない間に、たくさん本を読んだんですよ。あなたの元に来られてよかった。また話しましょう。たくさん話しましょう。ずっと話しましょう。えいえんに話しましょう。ね。
最初の分かれ道
の、一人称がなんだったか、知りませんか?
- 「僕です。」
- 「さぁ……?」